胎児決断

お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんは、何を感じているのでしょうか。

もちろん、それぞれの感性の根源に応じてのものでしょう。

それでは、その感性の根源は、どこからくるのでしょう。

私はその答えを持ってはいませんが、こんな体験があります。

体験と言うよりも、私の体質と言ったほうがいいのかもしれません。

私は、物音や声に対して異常なほど敏感で、

ちょっとした物音でも、すぐに反応してしまいます。

寝ている時も、わずかな音や声で目を覚ましてしまいます。

何故、自分がこんな体質なのか、40歳過ぎまで解かりませんでしたが、

ある日、母に教えてもらいました。

母が、私を妊娠している時が、まさしくその状態だったそうです。

母は、18歳の時結婚して私を妊娠しました。

しかし、姑との折り合いが悪く、離婚寸前まで至ったそうです。

18歳の少女が、お腹に子どもを抱えて離婚しなければならない。

将来のことを考えれば、どんなに不安だったことでしょう。

当然、神経過敏になり、夜も、ろくに眠れなかったことだと思います。

この時点では、母親と私は感情を共有しています。

母親の悲しみは私の悲しみ、母親の怒りは私に怒り、

母親の不安は私の不安なのです。

そして、その感情をそのままに、私は、この世に生まれてきたのです。

私は、感性を感情の思考力ととらえています。

胎児は、自分の誕生が、周囲から歓迎されているかどうかを

未熟な洞察力で察知し、この世が安全な場所かどうかを決断するのです。


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